2022年08月18日

『食農ブームはどこに向かう』追求の足跡~どこへ向かうか

シリーズ食農ブームは今回で最終回になります。
まずこのシリーズでの追求の足跡をダイジェストで入れておきます。
最初は軽い気持ちで始めたこのシリーズでしたが、結構いろいろと新しい動きについて発見できました。
最後にそれでいったい「どこへ向かうのか」をシリーズを通して考えてみました。

 シリーズ「食農ブームはどこに向かう?」プロローグ
当ブログではこれまで農業を生産活動や産業の一つとして見て記事を作ってきましたが、さて、その考え方や今は古いのではという思いに立ちこのシリーズを初めてみたいと思います。つまり、農業の可能性として見た場合、最新の方向性として大農業、小農業とは違う”プチ農業”がひとつあるのではないでしょうか?誰もが明日からでも始められる専業でも兼業でもない、第3の農業のありようです。そしてこの新しい農のあり方は、同時に人々の食への意識の変化からも来ているように感じます。 

『食農ブームはどこに向かう?』シリーズ1:食農ブームって何?

野菜や果物など、食べ物を自分たちで育てて、収穫する→大切に育てた作物を食べる。その過程の中で、農業や食事について学んでいく取り組みのことを言います。各個人単位から自給自足の意識が芽生え始めているのは、大きな可能性と言えるのではないでしょうか。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ2 家庭菜園~貸し農園~週末農業 様々なプチ農業の実態
プチ農業の入門編は家庭菜園です。一時的なものではなく、始めた人がほぼ継続したいと答えているように10年以上続ける人が3割以上居ます。
貸し農園は中部圏ではコロナ前と現在で約10倍の契約件数があるとも言われ、今後の拡大がかなり期待されています。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ3 食農ブームはいつから、なぜ起きた?
このような偽装や不正問題、食料を介しての健康危機によって「自分たちの命を人任せにしていられない」身近なところから、自分たちのできる範囲で、自給自足の動きが生まれている。これが今後の農業の大きな可能性とも言えます。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ4 昔の農家と今の食農ブーム 何が違う?
食農ブームは確かに新しい農への流れの小さな動きかもしれない。
江戸の惣村と同じような課題と外圧があり、生きるために農業をしていく、そういう集団が登場し牽引できるかどうかだろう。
そういう意味では食農ブームと同時に牽引していく集団再生が必要なのは確かだと思う。それがどう登場していくか、この食農ブームと別軸で見ておく必要がある。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ5 若者の農業・仕事に対する意識の変化

 農業法人に就職する「新規雇用就農者」と新たに農業経営を開始する「新規参入者」が増加傾向に。農業コンサルをやりたいという学生も、よくよく話を聞いてみると、地域づくりがやりたい、人を繋ぐ仕事がしたい、が本音のよう。農業にのめり込む学生たちも、農業を通した人とのつながりや、みんなで成果を出す達成感を求めているのかもしれません。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ6 「おてつたび」は、なぜ成功したか?
自然収束、人収束、地域収束と課題(仕事)収束が重なって、なおかつ受け入れ側の人不足や人を育てたいや、地域の閉塞感を打破したい等お互いの求めるものが重なってこういった新しい事業が生まれたのではないかと思うのです。
起業者の永岡さんはそこに目を付けたのだろうが、31歳の彼女自身がかつての起業家やベンチャーとも一味違い、単純に必要なもの通しを繋げたという「楽しい」をベースにして起業を始めたところも注目すべき点だろう。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ7 改めて”農業に必要な能力”とは
農業に必要な特別な能力はありませんが、人類が本来持っている人類の人類たる能力を再生し、さらにはどんな仕事にも通用する共認形成力を身につけるのに、農業は最適な職業だと言えます。

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ8 生き抜く力も担い手育成も実現!子どもの頃から農に触れ合う可能性  
幼少期~中高生の間に、いかに農業の現場に触れる機会があるかは、農業の次世代の担い手育成という観点から見ても、カギを握りそうです。
多くの人との関わり、試行錯誤が子ども達の根っこを育て、地域という大地にしっかり根をはる。 大きな木に育ち、地域にたくさんの実を還元する。子ども達の成長が地域の未来をつくる。

「食農ブームはどこに向かう」・・・それで、いったいどこへ向かうのか?
最初の直感として農業という職能の捉え方の話ではないかなと感じていました。
農業があらゆる産業の一つであり、選択肢であり、市場主義のもと工業化、都市化が進み農業は今やどんどん衰退し、誰も担い手が居ない産業の一つになっていった。だから農業を再び復興しよう、農業はそういう発想でよいのかという点です。
今回扱った食農ブームとはそういう動きとは別に人々が自主的にむしろ積極的にその生きる場を郊外や地方、さらには脱市場へ自給へと向かっています。一方でこのブログの記事中でも扱ってきましたが農業を通じてすっかり堕落した人類の本来持っている能力の再生にも可能性があるのではないかと感じ始めています。

私事で恐縮ですが、先日私もわが社の持つ農園に援農という形で1日だけですが農業を体験させていただきました。日頃都会でデスクワークを中心に活動していますがそこで経験した農業の楽しさ、体を使って丸一日仲間たちと収穫する楽しさはなんとも言えない解放感に満ちたものでした。これをもし子どもの頃に一定期間、経験していたらきっと農業に対する見方も人や生命に対する見方も変わっただろうと確信しました。
今日農ブログの仲間と話していたら、それは一種の「本能の解放」なんじゃないか、という結論に至りました。コロナ禍を経て人々は無意識に本来どこに向かうべきか「本能の解放へ」を模索しているのではないか、その一つの方向が食農ブームではないかと思ったりするのです。

「食農ブームはどこに向かう」と問いの答えもここにあるのかもしれません。脱都市、脱市場、脱密室から仲間収束、自然収束、自給収束・・・・消費する主体から生産の主体へ。単なるブームではなく農業に人々が可能性を発見し始めている端緒だと思います。後はこの流れを人々の主体性に任せるのか、企業や国が後押しするのか、今後の分かれ目だと思います。
既にこの数年で多くの企業が農業を始め、国がそのハードルを下げている。若い人たちも農業に可能性を感じつつ、一体何が魅力なのかを探り始めている。小さな流れを大きなうねりに変えていく、そこには集団を個人にいかにコミットさせていくかが鍵だと思っています。

また、どの層がそれを主導していくのかも重要です。農ブログの仲間で話していて思ったのは30台前までの若者ではないかという意見が出ました。このブログで扱った「おてつたび」の主宰者も31歳の女性です。最も閉塞感に敏感で可能性を求めている世代がその主役としてリードしていく日も近いかもしれません。今後、「新しい農のかたち」を探る当ブログもそこをしっかりと応援していきたいと思います。

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2022年08月11日

新しい「農」のかたち~この1年の追求成果:農を追求することで人類課題のすべてを押さえられる

この1年間で追求してきた当ブログ。この先の追求テーマの設定に向けて一旦ダイジェストにしてみます。
【 】でテーマをくくっていますのでそこのキーワードを並べてみます。農ブログは多彩なジャンルにまたがるテーマを扱っており、まさに農を追求すれば現在の人類的課題の全てが押さえられるといっても過言ではないと思っています。

実際この1年で追求してきたテーマはバランスよく以下の7テーマを追求してきました。まだ着手していないのが医食同源のテーマと林業、漁業です。また、環境や自然科学は追求すれば、次の追求していきたいテーマが出てきて、果てしない状況です。現在追求中のテーマも後、1,2回の投稿で一旦締めますので、次のテーマ設定に移っていきます。またテーマ設定にはこのブログを読まれている読者の方からの意見も反映させていきたいので、ぜひコメント欄に追求してほしい、してみたいテーマを記載下さい。

 

歴史系)[農の歴史] 【農業と政治】

共同体系)【農村学校をつくろう!】【食農ブームはどこに向かう?】

自然科学系)【有機農業をまるっと見る!!】

経営、経済)【稼ぐ農】

環境問題)【土の仕組みを探る】【種】

世界情勢)【世界の農と食】【ロシア発で世界の食糧が変わる】【食糧問題】

医療・食料問題)

林業・漁業)

 この1年間の追求テーマのダイジェストです。プロローグとまとめをセットで入れていますので、問題意識と追求した足跡を同時に見ることができます。夏休みで少しお時間のある方はクリックして覗いて見て下さい。


【第1クール】
[農の歴史】第1回 人類はいつ、なぜ農耕を始めたのか
   ↓
農の歴史】シリーズまとめ~歴史に学ぶ農の可能性と危険性

農から考える自然の摂理~【土の仕組みを探る】シリーズ、始めます!
   ↓
農から考える自然の摂理~【土の仕組みを探る】:これからの農業を考える羅針盤として

 【農村学校をつくろう!】シリーズ-1~農業は子育て・教育再生の切り札になるか!?
   ↓
【農村学校をつくろう!】シリーズ-まとめ~農を核とした、人⇒集団⇒地域⇒社会の再生

【第2クール】
【農業と政治】シリーズ、はじめます~農協は、農業・農家・消費者に何をもたらしてきたのか
   
【農業と政治】シリーズ 最終回:日本人のお上意識が農業を農協の意のままにしてきた

 食糧問題】シリーズ:イントロ~世界で食糧問題が起こる構造に迫り、持続的な安定供給できる生産・流通の仕組みを探る
   ↓
食糧問題】シリーズ10(最終回):「自分たちの生きる場は、自分たちで作る」からこそ農業に活力が生まれる

【世界の農と食】シリーズ:イントロ~世界の農は近代的な大規模農業から、どう構造転換していくか?~
   ↓
【世界の食と農】まとめ~世界の農を巡る覇権争いは、これからどうなる?~

【第3クール】
シリーズ『種』1プロローグ~持続可能な農業の要は「種」!
   ↓
シリーズ『種』10~DNA信仰が、植物本来の力を失わせた元凶~

『稼ぐ農』シリーズ1~稼ぐ力の基盤は何か?
   ↓
『稼ぐ農』シリーズ10 経営する力って何?

【第4クール】現在進行中~
【食農ブームはどこに向かう?】プロローグ
【有機農業をまるっと見る!!】プロローグ:有機農業のホントのところを話していこう
【ロシア発で世界の食糧が変わる】プロローグ ロシアのウクライナ侵攻で、世界の食糧どうなっていく?

参考:「農」ブログの中間振り返り ~「農」の追求は環境、自然科学、歴史、食、医療、共同体、教育、国際社会、金融、市場、全てに広く繋がっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022年08月10日

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ7 生き抜く力も担い手育成も実現!子どもの頃から農に触れ合う可能性  

本シリーズも残り2記事となりました。

前回は「農業に必要な能力とは?」というテーマで、

>人類が本来持っている人類の人類たる能力を再生し、さらにはどんな仕事にも通用する共認形成力を身につけるのに、農業は最適な職業だと言えます。<

というお話がありました。

 

この視点は、子どもたちの人材育成・教育においても、重要なポイントではないでしょうか。

これまで、農業従事者が減ってきている実態や、大学時代に農業を学んでも別の仕事に就く子が多いという事例を紹介してきました。

幼少期~中高生の間に、いかに農業の現場に触れる機会があるかは、農業の次世代の担い手育成という観点から見ても、カギを握りそうです。

 

■農業の担い手育成の実態・可能性は?

「農業を仕事にしよう!」となったときに一番最初に思い浮かぶのは、農業高校・専門学校などに進学するというイメージが一般的でしょうか。

そもそも、農業高校の始まりは、明治期に遡ります。当時は「地域のイノベーションリーダー的な存在」で、美味しい作物を安定的に供給することが当時の農業にとって一番重要な課題だったのでしょう。

※画像はこちらからお借りしました。

しかし、現代の農業高校生の進路状況を見ると、毎年、約26,000人の生徒が農業高校を卒業しており、その約半数が卒業と同時に就職するが、そのまま農業に従事する生徒は就職者の5%を切っていると言います。

大半の生徒は農業とは直接関係ない製造、販売などの企業に就職するか、まったく異なる分野の大学・専門学校などへ進学しているケースが多いのです。

 

農業を取り巻く状況・環境は刻一刻と変化しています。たくさん作れば、その分売れるという簡単なものではなく、これから生き残っていくためには、前回のブログでもご紹介したように、ブランディング戦略や地域・集団をまとめていく力が不可欠です。

だからこそ、「次世代の担い手育成」を実現するためには、農業教育のあり方も、時代に合わせて変えていく必要があると思います。

 

どんな仕事をしようかと?考え出してから農業に触れるのではなく、もっと小さい頃から身近な存在だったらどうでしょうか。みんなで協力して成果を上げる楽しさや自然の偉大さ、ありがたみという“実感”が、職業選択にもつながってくるかもしれません。

また、その経験の中で、周りを巻き込む人間性や、自然外圧(天気、季節など)に応じて判断する能力が磨かれるとしたら、農業は人材育成にもってこいとも言えるのではないでしょうか。

 

 

■農業×子どもたちの学びをデザインする「ジュニアビレッジ」

最後に、農業を通じた人材育成を実現する「ジュニアビレッジ」をご紹介したいと思います。

チーム作りから栽培、商品開発、販売、さらには事業報告会・コンテストまで、1年を通して取り組むそう。年間25~30回程度のワークショップや実践で構成されています。

小中学生が参加し、社長、デザイン、セールス、畑管理・アグリテックなど役割分担も自分たちで決定。

※画像はこちらからお借りしました。

そんなジュニアビレッジの理念は・・・

「これからの時代を生きる子ども達に必要な学びとはどのようなものでしょうか? これからの時代にあるべき地域の姿とはどのようなものでしょうか?わたしたちは、その1つの答えに「農」があると考えます。科学から文学。企画から経営。子ども達が「農」を通じて、それぞれの興味関心に応じた探究を進める学びの体験をつくります。

多くの人との関わり、試行錯誤が子ども達の根っこを育て、地域という大地にしっかり根をはる。 大きな木に育ち、地域にたくさんの実を還元する。子ども達の成長が地域の未来をつくる。

そんな地域社会全体でつくる学び場がジュニアビレッジです。」

 

参加者からは、人を救うような仕事がしたい、仕事に対するイメージが変わった、といった感想も寄せられています。

 

生き抜く力を身につけることも、農業の担い手育成にもつながる。子どもの頃から農に触れ合うことは、もっともっとたくさんの可能性を秘めている気がしてなりません☆

 

 

<参考>
農業人材の未来を拓く学びとは

https://news.mynavi.jp/techplus/article/agribusiness-9/

 

ジュニアビレッジ

https://jvglocal.com/about/

https://drive.media/career/job/32888

 

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posted by k-haruka at : 2022年08月10日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年08月10日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】7~ロシア。中国をはじめとして新興勢力は世界の支配構造、脆弱なシステムを解体し、新たなシステムを構築しようとしている~

ロシアによるウクライナ侵攻を契機とした食糧危機により、食糧政策に力を入れてきた「新興勢力(ロシア、中国、をはじめとしたBRICs)」が世界の主導権を握っていこうとしています。

※画像はこちらからお借りしました

これまではロシアの農業政策について触れてきましたが、今回は新興勢力である中国やインドがどのような食糧政策を行ってきたのか、そして新興勢力がどのような世界を描こうとしているのかを見ていきたいと思います。

・参考:世界の勢力図の転換。ロシア・中国・BRICSが新たな経済圏を作り出しつつある

 

◯新興勢力が世界に食糧を供給している

世界の穀物生産量を見ると、ロシア、中国、インドが上位5位に入っています。

※グラフはこちらからお借りしました。

 

ウクライナ侵攻に伴って価格が高騰した小麦だけに限って見た場合、総務省が発表している「世界の統計(2022)」によると中国・インド・ロシアが上位3位を占めています。

※グラフはこちらからお借りしました。

今回の世界的な食糧危機により、食糧生産力が世界の主導権を握る上で重要だということが世界に示されました。
そして、強い影響力を持っている国のほとんどが新興勢力なのです。

 

◯世界最大の穀物輸出国である中国とロシアの繋がり

ロシアが2010年代に大きく農業政策を行い、農業輸出国にまで上り詰めてきました。

・参考:ロシアにおける国防政策は農業政策と一体だった

中国もまた2008年の食糧危機以降に、国家食糧備蓄政策として「3つの保護農家利益の保護、食糧市場安定の保護、国家食糧安全の保護)」を打ち出し、穀物生産量を10年の間に1.5倍にまで伸ばしてきています。

※グラフはこちらからお借りしました。

中国が食糧政策に力を入れた時期はプーチンが食糧政策に力を入れ始めた時期と重なっており、習近平は今年からロシアからの小麦輸入を拡大することを表明していることからも、両国の繋がりが強いことが想定されます。

中国はロシアだけでなくウクライナともつながっています。
ウクライナと中国は2012年より中国と農業開発プロジェクトを結んでおり、食糧分野において協力関係にあります。

今回の侵攻を食糧という軸で見るとは、背後に新興勢力の繋がりが見え隠れしています。

・参考:価格高騰だけではすまない、ロシアと中国が世界を食料危機に突き落とす

 

◯インドがITを基盤とした農業により新興勢力の覇権はより強まる

インドは1960年の食糧危機をきっかけに、農業の近代化(緑の改革)に舵を切りました。
1970年に食糧自給を実現しますが、種・農薬・肥料を買い続けなければならない苦行と、近代化による田んぼの荒廃に悩まされ続けました。

しかし、2014年に発足したモディ政権が緑の改革に続く新たな農業政策を推し進め、2016年に「電子国営農業市場(eNAM)」を設立したことにより、農業の様相が変化し始めています。

その他にも、2015年に土壌健康カード(SHC)を開始し、近代農業によって劣化した土壌の対策も行うなど、ITを通じた農業改革を進めていっています。

世界の名だたるIT企業が開発拠点に置くほどIT先進国であるインドにおいて、ITと農業がつながることによって、今後同国の農業は大きく転換していくことが予想され、新興勢力の食糧を基盤とした影響力はさらに強まっていくことになります。

※画像はこちらからお借りしました。

 

◯新興勢力はどのような世界を描こうとしているのか

※画像はこちらからお借りしました

今回の食糧危機は、欧州系の金融勢力や米国系の軍事・石油勢力によってつくられてきた「グローバリズム」と呼ばれる世界システムは脆弱であることが強く示されました。

ロシアや中国をはじめとした新興勢力は、    それらの世界の脆弱なシステムを解体し、新たなシステム(経済、農業、流通、貨幣システム)を構築しようとしているのかもしれません。

そのためにも、支配する勢力を解体するためにウクライナ侵攻により世界的な食糧危機を起こし、西欧諸国で首相などのトップ層が相次いで辞任している状況を生み出しています。

・参考:西欧諸国でトップ層が続々と退陣 世界の向かう先は? 

新興勢力はこれまでの支配構造、勢力の解体を行おうとしています。
次回は新興勢力が描こうとしている世界をもう少し具体的に見ていきます。

【参考】
世界食糧危機の中、なぜ中国には潤沢な食糧があるのか?
中国のしたたかな戦略 危機感薄い日本
農民の困窮とモディ政権の農業政策

インドの食料問題と食料政策
インドの農業・貿易政策の概要
小麦生産量世界有数のインド、輸出を一時停止「食糧安全保障に対処」

 

 

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2022年08月05日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】7~世界の勢力図の転換。ロシア・中国・BRICSが新たな経済圏を作り出しつつある~

前回までの投稿では、ロシアは、もともと食糧輸入国で脆弱でしたが、2000年代のプーチン勢力になって以降、国内農業の保護と、企業に大規模投資によって、わずか20年間で、世界を代表する農業大国へと成長を遂げました。この並大抵では実現できないような大改革を遂げたロシアですが、その背後には、世界的な勢力争いの中で、制覇国としての実現するための大きな布石だったと思われます。

そこで今回の投稿では、世界の勢力図はどのようになっているのか?、そして、ロシアは現在、どのようなポジショニングを取っているのか?について見ていきたいと思います。

画像は、こちらからお借りしました。

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2022年08月03日

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ6 改めて”農業に必要な能力”とは

「食農ブームはどこに向かう?」シリーズでは、

  1. 食農ブームって何?
  2. 家庭菜園や貸し農園の実態
  3. 食農ブームはいつから、なぜ起きた?
  4. 昔の農家と今の農ブーム何が違う?
  5. 若者の農業・仕事に対する意識の変化
  6. 「おてつだび」は、なぜ成功したのか?

を扱ってきましたが、今回は生産者側の視点から”農業に必要な能力”とは何か?を考えてみます。

誰にでもできるのが農業

農業をやるにあたって、なにか特殊能力が必要なわけではなく、誰にでもできるのが農業です。実際、江戸時代には人口の約85%が百姓でしたし、現代でもロシアでは国民の大半が週末に農業を営んでおり農産物流通量の8割がそうした兼業農家によって担われています。

 

特殊な能力は必要ありませんが、多種多様な生物の中で人類だけがいろんな作物を栽培していることからわかるように、人類が普遍的に持っている農業をするのに必要な能力があります。

 

農業に必要な能力

農業は、植物を観察しその生態を把握することなしにはできませんし、天候や病害虫に対しても、深い洞察力によって因果関係や構造を理解し先手を打って対策する能力が必要です。

このような「対象に対する同化力」「構造認識力」は、すっかり衰弱している現代人からみると特殊な能力のように感じてしまうかもしれませんが人類誰もが持っている能力であり、体格的にも身体能力的にも劣る人類が生き延び繁栄できたのもその能力のお陰です。

 

それでも、自然を対象にしている農業は、干ばつなどの異常気象や害虫の大量発生など、個々人の力だけではどうにもならないことが多々発生します。農業は村落共同体の相互扶助が不可欠で、平時であっても水の管理や獣害対策など集団の力なしには成立しません。さまざまな外圧を集団の課題として共認し、役割を決めて集団で課題を突破する「集団統合力」これも人類が普遍的にもっている能力で、農業に不可欠なものです。

 

農業には絶対的な正解など存在せず、失敗が付きものです。それでもあきらめずに、状況の変化に応じて常に追求し続けることが求められます。逆に、失敗してもあきらめずに追求すれば必ず成果は出ます。「あきらめない、負けない心」強いて言えば、これが必要な能力の一番根底かもしれません。

 

 

農業は能力育成に最適な職業

「同化力」「構造認識力」「集団統合力」は、本来人類誰もが持っている能力なのですが、現代人は都会で生活することで自然外圧と対峙する機会が減り、村落共同体を失い、人類本来の能力を失ってきました。

 

長年農業をやっている人は、天気予報以上に正確に天候予測ができますし、「植物に異変がある時は、植物の声が聞こえる」と言う程、自然に対する同化力が磨かれています。

現在でも地域の共同作業が多くあり、日常的にも地域で助け合いが残っている農業は、集団統合力を育成する場としても適しています。

 

農業で身につく力はそれだけではありません。現代、農業で稼ぐには良い作物を作るだけでは不十分で、その価値を広めるためのブランディング力=共認形成力を身につけることで市場経済の中で勝っていくことができます。どうしたらその能力が身につくのか、それは失敗してもあきらめず、成果が出るまで仲間と追求し続けることです。

 

農業に必要な特別な能力はありませんが、人類が本来持っている人類の人類たる能力を再生し、さらにはどんな仕事にも通用する共認形成力を身につけるのに、農業は最適な職業だと言えます。

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posted by matusige at : 2022年08月03日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年08月01日

『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ5:持続可能な農業とは?~植物の共生ネットワークを破壊する近代農法と有機農業の可能性

前回の記事では、無機物だらけであった地上に、バクテリアと植物が有機物を作り出し、すなわち「土(鉱物の粒である砂に、有機物が混ざったもの)」を作り出していった過程を見てきました。植物は、バクテリアたちがわずかに作り上げた有機物の循環ネットワークを家族度的に拡大し、自らの生きる場を自分たちで拡大していったのでした。

一方で、近代農法が普及して以降、もともと肥沃な土壌で覆われていた広大な大地がどんどん砂漠化していっています(豪州やアメリカなど各地で報告されています)。

元々、植物は自ら肥沃な土を増やしていく循環を作るわけですが、なぜ、砂漠化が進んでいるのでしょうか?

そして、持続可能な農業というのは可能なのでしょうか?

今回の記事は、そのメカニズムを掘り下げます。

ソース画像を表示

(画像はこちらからおかりしました。)

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posted by o-yasu at : 2022年08月01日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月29日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】6~ロシアにおける国防政策は農業政策と一体だった~

前回の記事でも紹介したように、1992年のソビエト連邦解体以降にロシアにおける農業は大きく転換してきました。

今回は、2000年にプーチンが大統領に赴任して以降、ロシアはどのような政策を展開して農業や畜産業は転換させ、世界でも有数農食糧輸出国にまで上り詰めてきたのかを見ていきたいと思います。

◯ソビエト連邦解体直後のロシア

画像はこちらからお借りしました。

 

ロシアは1990年のソ連時代には約25%を軍事費に掛けるほど国防に対して予算を割いており、世界でも有数の軍事力を持った国でした。
そして、「鉱石(=石油やガス)」の輸出など世界に対してエネルギーを供給する国でもあります。

ロシアは軍事力、エネルギーにおいて世界に対して優位に立っている国だといえます。
当時のロシアにとっての最大の弱点だったのは「食糧の自給率の低さ」です。

事実、当時のロシアは国防費と同等の予算を農業対策費に費やすほど、食糧の輸入に頼っている状態でした。
世界から食糧の輸出を絶たれてしまえば、ロシアは手も足も出ない状況にありました。

それは世界に対して軍事、エネルギーで優位に立っていても、国家の基盤である食糧は他国に握られており、支配されている状況とも言えます。
しかし、ソビエト連邦解体直後、国営化されていた農業が一気に衰退し、ロシア国内の食料事情はさらに悪化します。

 

◯プーチンは国防政策のひとつとして食糧政策に取り組んできた

現在でも、ロシアは国防費を主要国のなかで5番目に掛けている国であり、昨年度の軍事費は659億ドル(約9兆円)を突破し、それはロシアの国内総生産の4.1%に当たります。

そのことから、ロシアは「国防意識がとても高い国」だということが伺えます。

そのロシアはプーチンが初めて大統領に就任した2000年以降、20年という短い期間で一気に「世界有数の農業輸出国」に上り詰めます。

国防意識の高いロシアにとって、食糧自給率の改善、国内の農業・畜産業の再生は国防政策と一体だったのかもしれません。

 

◯国内生産者の保護、輸入大国から輸出大国への転換

プーチンは国内の農業・畜産業の保護、国内生産者の保護、輸出拡大の戦略を展開していきます。

プーチンは国内の畜産業を保護するために、「関税割当制度(国内の産業を保護するための制度)」の導入」のためにWTO加盟に動き出します。
(2012年にロシアはWTOの加盟を実現します。)

画像はこちらからお借りしました。

 

ロシアは加盟交渉中の2009年頃から「輸入関税の緩和を後退」させ、食肉輸入の抑制の動きを強めることで国内の畜産業の保護を強化していきました。
結果、1992年のソ連解体時には衰退傾向にあったロシア国内の畜産物の生産量は、2000年以降に生産量が回復し、2009年以降は急激に回復していっています。

グラフはこちらからお借りしました。

 

◯国内の供給量の安定させるための輸出制限

プーチンは国内の小麦の供給量を確保するために、何度も国外への輸出制限を行っています。

直近では2020年にコロナ禍による影響を理由に国内の小麦価格が高騰したため、輸出制限を行いました。
プーチンは国内の農業や畜産業を保護しながら、国内の食料価格の安定にも注意を払っています。
(2020年以前にもプーチンは国内の安定供給を理由に小麦の輸出制限を行っています。)

これまで上述してきたように、農業生産の安定、食料価格の安定を国防対策の一環として行っているプーチンの強い姿勢を感じます。

画像はこちらからお借りしました。

 

◯ウクライナ侵攻は食糧が制覇力の一つであることを世界に示した

先にも書いたように、ロシアにおける農業政策=食糧政策は国防と一体であると想定されます。

今回のロシアによるウクライナ侵攻は、世界における制覇力は「軍事力」、「エネルギー(石油・ガス)」、そして「食糧」であることを示しました。
プーチンが2000年以降に進めてきた農業政策、そしてウクライナ侵攻に伴う世界における食糧危機までの動きは、全てつながっているのかもしれません。

画像はこちらからお借りしました

 

ウクライナ侵攻は、一般的にNATOにウクライナが加盟を強く進めたことをきっかけとされていますが、プーチンの農業政策への力の入れようから鑑みると、ロシアにおける国防政策と一体となった食糧政策において、ウクライナは欠かせないものになっている可能性も想定されます。

では、世界有数の農業輸出国となり、制覇力を獲得したロシアはどのような支配権力と戦おうとしているのか、そして支配構造から脱却しようとしているのでしょうか。

次回は世界の支配構造に触れながら、ロシアの思惑に迫っていきたいと思います。

_______________________________________
【参考サイト】
プーチン時代以降のロシア市場の特徴
ロシアのウクライナ侵攻の背景を読み解く
プーチン新政権の経済政策
二兎を追うロシア農業 ~穀物輸出と畜産物生産・輸出の拡大~
WTOは食料危機を解決できるのか
「世界の軍事費、昨年初めて2兆ドル突破 ロシアと欧州も拡大」

 

 

 

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posted by tiba-t at : 2022年07月29日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月28日

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ6 「おてつたび」は、なぜ成功したか?

前回の記事で今の若い人の新しい就労意識として、仕事を「楽しく働きたい」と求めている人が増えているというくだりがありました。仕事は辛いもの、苦役、だから頑張る、だから報酬が得られるというのがこれまでの常識でしたが、それを根底から変える流れです。コロナ禍後の一過性の意識でしょうか?

あるいはこんな意識も見えてきています。
「自分のやりたいことができる会社」を選びたいというのは10年前をピークにどんどん減り続け、今ややりたい事が見つからない時代になってきています。一方で楽しく、一方で自分のやりたい事はない。彼らが向かった先はそれを見つける事だったのかもしれません。やりたい事の中身とは新しい人間関係の中の充足感や、都市から地方への自然志向へ向かっていっているようにも思います。

今回の記事は、以前るいネットでも少し紹介された「おてつたび」についてです。わずか4年で2万人という登録者数、かつてのボランティアに変わって、お金をいただきながら旅をして(役に立ち)楽しさを得ながら経験を積んでいく。彼らの求めているものはなんでしょうか?

記事から抜粋して紹介してみます。
東洋経済さんの記事の抜粋紹介です。

■「おてつたび」って何?
>コロナ禍の行動規制がゆるやかになり、旅行の機会が高まっている。そんな旅の新たな形として注目されているのが「おてつたび」だ。

旅行者は、旅先で助けを求める農家や漁業者、観光事業者などを手伝いながら、日本各地を回る。しかも手伝いをすることで、報酬を受け取れるというのだ。“自分で旅先を選ぶ”のではなく、“助けて欲しい人がいる土地を訪ね、お手伝いをする”という斬新さに、おてつたびの参加者(おてつびと)からは「日本の知らない土地を知ることができて楽しい」「第二の故郷ができた」との声が寄せられている。2018年7月にサービスを設立後、徐々にユーザー数は増え、現在は2万人。旅と手伝いを楽しんでいる。このおてつたび事業を立ち上げたのは、株式会社おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜さん(31)だ。三重県の南東部にある、人口1万6000人ほどの尾鷲市(おわせし)で生まれた。

代表取締役CEOの永岡里菜さん

都市集中型の暮らしが進むなか、故郷である尾鷲市をはじめ地方地域では人口減少や産業衰退の課題が深刻化している。特に一次産業を営む事業者は、跡を継ぐ人や事業を手伝う人が途絶え、廃業するケースもある。
こうした“地域での人不足×地域の魅力を知って欲しい”を掛け合わせたのが、おてつたびだ。
全国の農家や漁業者など一次産業の従事者や、旅館やホテルなどのサービス業者に、おてつたびマッチングサイトに利用登録してもらい、人手が必要になったらサイト内で募集をかける。おてつだい募集日数は日帰りから1カ月程度まで設定でき、参加者の宿泊場所や報酬は、手伝いの募集者側が負担する。一方、参加者はおてつたびマッチングサイトで募集される手伝い情報から、自分が行きたい場所や手伝い内容などを見て、応募する

■なぜ「おてつたび」が拡がったか
>転機となったのはコロナ禍だった。海外への渡航が制限された2020年。それまで目的の旅先を「海外」としていた人が「国内」に目を向けるようになり、おてつたび参加者も一気に増えたという。「“灯台下暗し“といいますけれど。コロナ禍は日本の良さを気づかせてくれるきっかけになりました」

おてつたびの参加者と手伝い受け入れ事業者は、サービスを利用してどのように感じているのだろうか。
大学2年生の北見紗葵さん(20)は、過去4回おてつたびに参加したリピートユーザーだ。2021年11月に初めて参加してから、大学の長期休暇期間を活用して各地を楽しんでいる。これまでに旅館での配膳、接客、清掃などを経験し、このゴールデンウィーク中には愛媛県愛南町のみかん農家で、河内晩柑の収穫や選果、出荷作業を手伝った。

高校生のときから地域活動やボランティアなどに積極的に参加し、大学でも地域に関して学んでいる北見さん。おてつたびに魅了される理由をこう話す。

「観光も楽しいのですが、私はそれだけじゃ物足りなくて。おてつたびに参加すれば、地域の方と仲良くなれて、旅行では経験できないおもしろさを感じられる。大学生でお金がない自分にとって報酬をもらえることもありがたい。得た報酬で、訪れた地域で新たに体験したり、飲食したり。そうやってお金が使えるのはうれしいです」

当然、手伝いをする旅なので、楽しいことばかりではないのだろう。それでも北見さんは、「“お客さん”ではなく“仲間“として迎えてくれたからこそ頑張れたし、仲良くなれました。帰る故郷が増えたなと思っています」と話す。北見さんは今、自分の将来を見つめ直しているそうだ。「おてつたびに参加するまでは、大人になることに不安を感じていました。けれど、大人になっても新しいことができるんだって感じたし、魅力的な行動をしている人たちに出会えて衝撃を受けました。就職する前に、こういう世界や想いを知ることができたのは良かったなと思っています」

■これらの読んでみて改めてなぜ「おてつたび」が受け入れられたのかを考えてみます。

そこには前回の記事の最後のくだりがヒントになります。
>農業コンサルをやりたいという学生も、よくよく話を聞いてみると、地域づくりがやりたい、人を繋ぐ仕事がしたい、が本音のよう。農業にのめり込む学生たちも、農業を通した人とのつながりや、みんなで成果を出す達成感を求めているのかもしれません。

自然収束、人収束、地域収束と課題(仕事)収束が重なって、なおかつ受け入れ側の人不足や人を育てたいや、地域の閉塞感を打破したい等お互いの求めるものが重なってこういった新しい事業が生まれたのではないかと思うのです。
起業者の永岡さんはそこに目を付けたのだろうが、31歳の彼女自身がかつての起業家やベンチャーとも一味違い、単純に必要なもの通しを繋げたという「楽しい」をベースにして起業を始めたところも注目すべき点だろう。

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posted by tano at : 2022年07月28日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月26日

コラム 良い土ってどんな土? ~植物と微生物との共生関係~

土壌は作物の根が生活する場ですから、空気も水も必要で、土である個体と、空気である気体と、水である液体から出来ています。これを「個相」「気相」「液相」と呼びますが、個相50%、気相と液相が25%という割合の土壌が理想だと言われています。
このバランスを保つためには、土壌の「団粒化」が必要です。

団粒化というのは、粘土の粒子が集まってミミズの糞のように大きな粒子(0.5~5mm)になることです。団粒化土壌は雨が降ると水はすぐに地下に抜け、水が抜けた後に空気が動いていくので、水はけ、空気の流通がとてもよくなります。逆に、干ばつになると、団粒化された土壌では地下水や下層の水分が毛細管現象でどんどん蒸散しながら上昇してきます。さらに、団粒化された粒子の中にも薄い粘膜によって保たれていた水分が大量に含まれていますので、日ごろは水はけがよく、しかも保水力がよいから、少々の干ばつではこたえません。

 

植物と微生物との共生関係

土壌を作っている主な成分は、珪酸(約60~70%)、アルミナ(約10~20%)、鉄(約5~10%)、石灰(約2~20%)、苦土(約2%)、カリ(約1%)、腐植(約3~5%)で、それ以外にも1%以下の微量な元素(ミネラル)も含んでいます。そして、土壌の中には、バクテリア、菌類、藻類、原生動物、その他数多くの生物が棲んでおり、小さじ一杯の健康な土壌の中には、地球上の人間よりも多い数の微生物が棲んでいます。

団粒は「粘着性があるひも状態」を作る菌糸菌によって成長が促され、植物の根から出る液体炭素の滲出液や菌類が出す粘着物質によって団粒の壁が作られます。その壁の内側では再び炭素滲出液によって数多くの微生物が活動しており、ほとんどの団粒は植物の根と繋がっています。つまり、健康な土壌は、微生物の働きがあってはじめて出来上がるのです。

植物は光合成によって、葉緑体の中に糖質を生成し、それら化合物を細胞や構造のために使ったり、生命エネルギーの為に使いますが、それだけでなく大量の化合物を「液体炭素」として土壌に放出しています。その量は、光合成によって固定させた炭素の20~40%にも及びます。

バクテリアや菌類は、炭素を含むおいしい根滲出液を食べるために現れますが、もっとたくさんの量を得るために、今度は植物が必要とする窒素やリン、ミネラル栄養素、植物ホルモンなどを植物に供給することで、植物と微生物が共生関係を作っています。

両者の関係は、お互いに必要なものを供給しあうことで成立しており、唯一必要な追加エネルギーは太陽光のみなのです。

 

有機農業の本質は、生物の多様性を壊さないこと

農薬や化学肥料を使う近代農法の問題性は、土壌生物を死滅させ、植物と微生物の共生関係を破壊してしまうことにありますが、有機農法なら問題がない、というわけではありません。
日本の「有機認証制度」は、禁止農薬や化学肥料を使わないこと、遺伝子組換え技術を使用しないこと、などを認証の条件にしていますが、禁止事項や罰則ばかりで、持続可能な農業はどうやったら実現するのか、どうしたら植物が健康になるのか、といった本質を捉えてはいません。

例えば、有機農法では除草剤を使用できないため、土を耕すことによって雑草の繁殖を防いでいますが、耕作によって土壌をかき回し空気にさらすことによって土壌に含まれる炭素が酸化します。さらに、植物の生長に重要な微生物や菌根菌を破壊してしまいます。

有機農業の本質は、土壌そしてさらには生物の多様性を維持することにあり、微生物や生物が多様であればあるほど、植物は健康に育ち、気候変動や病気に対する抵抗力と回復力が高くなります。有機認証制度が使用してはいけない農薬や化学肥料を規制しているのもそのためのひとつにすぎません。

生物の多様性を作るためには、耕作を最小限にとどめ、土壌中の微生物やミミズ、ヤスデ、クモなどが生育しやすい環境を作ってあげる必要があります。

単一作物ばかりを栽培していると環境が均一化してしまい、害虫や病気を招くことになりますので、輪作をすることで生物の多様性を助け、土壌酵素の活動を高めることが重要です。特に、マメ科植物がを輪作に含めるとより有効です。
また、動物の肥しは土壌に生物多様性をもたらす炭素と生きた微生物の両方を豊富に含みますので、家畜を一緒に飼育することも、土壌有機物レベルを改良するのに効果的です。

重要なことは、虫類や菌類は植物の病気の真の原因ではなく、それらは不適切に栽培された作物を侵食するだけだということです。不適切に育てられている作物を指摘してくれる病害虫は、農業を営むうえでの「自然」の先生であり、多種多様な虫類や菌類は農業生産にとって不可欠なものなのです。

 

 

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posted by matusige at : 2022年07月26日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List